10月1日〜10日も、たくさんのお客様にご来場いただき、ありがとうございました。
今回はYUMEちゃんが前乗りをしてくれて、新作のレッスンを夜遅くまで頑張ってくれました。
当館での初披露に向けて、オフの日まで返上してレッスンに励んでくれている姿を見ると、我々劇場側も「少しでも良いステージ環境で踊らせてあげたい」と、改めて身の引き締まる思いになります。
■ 新作『赫』〜赤に染まる圧巻のステージ〜
今回、YUMEちゃんが披露してくれた新作『赫(あか)』。
ファンベール(今回、初めてこの名前を知りました)や羽根扇子を使った、非常に豪華で美しい演目です。
『赫』という演目名の通り、様々な照明機材を駆使して、ステージ全体を赤く染め上げました。
一口に「赤」と言っても、照明機材によって色味や光の質感は様々です。
それぞれの赤を重ね合わせることで、より深く、より鮮烈な赤の世界を表現することを意識しました。
特に、燃え盛る炎の映像の中で舞うYUMEちゃんの姿は、圧巻の迫力でした。
■ シルエットだけで魅せる美しさ
前回披露してくれた『オディール』もそうですが、YUMEちゃんのステージは本当にクオリティーが高く、照明演出を考えていると自然とテンションが上がります。
そして何より、YUMEちゃんは立ち姿が本当に美しい。
その美しいシルエットを際立たせたくて、ついつい逆光を使った演出を多用してしまいます。
派手な照明で彩るのも素敵ですが、シルエットだけで魅せられるというのは、それだけ踊り手の表現力が素晴らしいということだと思います。
■ 『傾奇者』〜前田慶次の世界観を照明で表現〜
さて、『赫』についてはThreadsでも色々と書かせてもらったので、ここからはThreadsでは触れられなかった『傾奇者』の照明演出や、こだわった部分について書こうと思います。
『傾奇者』は『花の慶次』をモチーフにした演目。
前田慶次といえば、強くて、豪快で、派手好き。そして、どこかお茶目で粋な人物。
そんなキャラクターを少しでもステージ上で表現したいと思いました。
もちろん、激しく派手な照明をふんだんに使いましたが、ただ派手なだけでは面白くありません。
曲の中で静かになる場面には桜の映像を差し込み、照明も一気に落ち着かせることで、激しさと静けさのコントラストを意識しました。
激しい場面があるからこそ静かな場面が際立ち、静かな場面があるからこそ次の盛り上がりがより迫力を増す。
そんな強弱を大切にしながら照明を組み立てました。
■ ラストは客席いっぱいの桜吹雪!
そして、今回一番こだわったのがラストシーンです。
せっかく『傾奇者』という演目名なのだから、最後に何か派手で粋なことをしたい。
そこで、曲のラストに合わせて客席いっぱいに桜吹雪を舞わせる演出を加えました。
ステージ上だけでなく、客席まで巻き込んで桜吹雪を降らせる。
お客様にもちょっとした驚きを届けられたら、いかにも傾奇者らしくて面白いんじゃないかと思ったんです。
ただ派手なだけではなく、そこに少しの遊び心を加える。
そんな演出ができるのも、劇場ならではの楽しさだと思っています。
強くて、カッコ良くて、派手好きで、どこかお茶目。
そんな前田慶次の魅力を、照明や映像、そして桜吹雪を通して少しでも表現できていたなら嬉しいです。
■ 踊り子さんの世界観を、さらに広げるために
これからも、踊り子さんが大切に作り上げた演目の世界観を、当館ならではの照明や舞台演出でさらに広げていけるよう、試行錯誤を続けていきたいと思います。

この記事へのコメントはありません。